多汗症についての勉強と対策について

どうも。今日はお勉強したことを記事にしてみました。
内容は多汗症に関するものです。自分で勉強してきたことを原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023 年改訂版を元にアップデートし、これまで実践してきた対策や、勉強を通じて学んだことをまとめました。最近では、保険適応の塗り薬も登場しており、悩まれている場合は、皮膚科受診をお勧めします。

多汗症とは？
多汗症で問題となるのは、臭いの原因となるアポクリン汗腺ではなく、サラサラした汗を作るエクリン汗腺です。このエクリン汗腺は、発汗によって体温調節を行い、適度な湿潤環境を提供することで皮膚のバリア機能にも寄与しているとされています。しかし、多汗症では、緊張や精神的な負荷、暑さなどが引き金となり、手や脇、全身に過剰な汗が出て、生活に支障をきたすことがあります。これは、日常生活や仕事、学業、試験などにも影響を与えることがあり、無視できない問題となっています。
日本皮膚科学会のガイドラインによれば、日本国内で多汗症に悩んでいる人は2020年時点で約10％（10人に1人）と推計されており、悩んでいる人は多いと思われます。

診断について
私は脇の多汗症と判断しています。医師の診察を受けたわけではないので、間違いないわけではないですが、ガイドラインに基づく診断基準を参考にしています。
以下がその診断基準です。

症状が25歳以下で初めて現れる
対称性に発汗が見られる
睡眠時には発汗が止まる
1週間に1回以上、多汗のエピソードがある
家族歴がある
それらによって日常生活に支障をきたす

これらのうち、2項目以上当てはまれば、多汗症と診断されます。（原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023年改訂版より引用）

多汗症には、他の病気に伴って発生することもありますが、特に原因がない場合は「原発性多汗症」と呼ばれます。これは、脇や手のひら、足の裏、顔または複数の部位で過剰に汗が出る状態です。

私の経験
私は中学生の頃から脇汗が気になっていました。運動すれば汗が出るのは普通ですが、緊張したりちょっと動いただけで脇に汗染みができることがよくありました。
思春期の頃、これはかなり辛かったです。市販の制汗剤を使ってみましたが、効果は一時的で、すぐに汗が出てしまいました。普段着る服も、汗染みが目立たないようにゆるめの服を選んだり、色合いに工夫したりと、大変だった記憶があります。

当時は病気ではなく体質だと思っていたので、強い対策はせず「どうしようもない」と諦めていました。大学に進学してからも服装が自由だったこともあり、簡単な対策で過ごしていました。

しかし、就職してからは、また別の問題が出てきました。スーツや制服を着る機会が増え、汗で色が変わってしまうことが非常に辛かったです。病院に行くべきだと思いながらも、行かずに体質なのでどうしようもないと感じていました。でも、ネットで情報を調べてみた結果、対策方法を学び、今では自分に合った方法でほとんど気にならない生活ができるようになっています。

多汗症の原因
多汗症の原因としては、遺伝的要素があると言われていますが、個人差の一部として受け入れるしかない部分もあるかもしれません。エクリン汗腺の発汗は、元々は暑くなった部位を冷やすための生理的反応であり、自律神経の影響も大きいため、自分の意思での調整は難しいことが多いです。

対処法について

まず、皮膚科に受診することが基本です。ただ、それだけでは面白くないので、私が試したいくつかの方法も紹介します。

脇汗に気づいた時は、深呼吸をしてできるだけリラックスする。
できるだけ気にしないようにする。
脇汗パッドを使用する。
適宜着替える。ゆるい服を選ぶ。
制汗剤を使用する。
脇の下を帯で締める。

⑥について
これはテレビ番組で見た内容ですが、京都の舞妓さんが、脇の下を帯で締めることで汗が出なくなるという話がありました。交感神経を抑制する作用があると言われていましたが、信憑性については少し疑問があります。

実際には、①〜⑤を併用して対策をしていましたね。
残念ながら、私の場合、市販の制汗剤は数時間しか効果が持続せず、塗り直しが必要でしたが。。。

ガイドラインによる対策

では、ガイドラインでは、どういった対策が推奨されているのでしょうか？
適切な医師の診断を受けることが前提となりますが、以下の治療法が推奨されています。

外用抗コリン薬
塩化アルミニウムの単純外用

重度の多汗症や重症の場合、ボツリヌス毒素製剤や交感神経遮断術が選択肢となることもありますが、これらについては適切な診断のもと、慎重に相談することが重要です。

外用抗コリン薬と塩化アルミニウムの外用

外用抗コリン薬
保険適応があり、病院で受診すれば処方されるかもしれません。ただし、全身性の副作用が出るリスクもあるため、持病がある場合はその点を医師としっかり相談する必要があります。
塩化アルミニウムの単純外用
これは保険適応外のため、皮膚科で院内調整された製品を使用することになります。
副作用として、刺激性接触皮膚炎が生じる可能性があり、使用前にそのリスクについて十分な説明がなされます。
副作用の症状としては、痒みや灼熱感が現れることがあります。

市販品のお試しと購入

私は、市販品の中で塩化アルミニウムを含む製品を探してみました。
そこで見つけたのが、「Perspirex」という商品です。これはデンマーク発の制汗剤で、楽天で購入でき最近ではアマゾンでも購入が可能です。
複数の種類があり、強さの違いは次の通りです。

コンフォート（最も穏やかなタイプ）
オリジナル
ストロング（最も強いタイプ）

強さによって副作用のリスクが変わる可能性があると思いますが、私は比較をしていないので詳細はわかりません。私は、最初に「オリジナル」を使用したところ、痒みと脇の肌に傷があったときに強い灼熱感を感じたため、「コンフォート」に変更しました。その後は、傷があると流石にしみますが、快適に使えており、なんで今まで探さなかったんだろうと後悔しています。