どうも。
今日は驚きのニュースを見つけたので、記事を作成しました。iPS細胞を用いた慢性腎障害の治療法に関する画期的な研究報告です。
慢性腎臓病(CKD)に対する細胞治療の効果をマウスで確認 ―数年以内の臨床試験開始を目指す―
Yahooニュース、朝日新聞、読売新聞
現在、日本人の主な死亡原因として挙げられるのは、「がん」「心疾患」「老衰」「肺炎」などです。腎臓病で亡くなる方もいますが、その数は比較的少ないとされています。その理由の一つが、人工透析という治療法の存在です。
人の臓器の機能が低下すると、「〜不全」という病名がつきます。たとえば、心不全、呼吸不全、腎不全(慢性腎臓病)などです。人工心臓や人工肺といった研究や技術革新は進められていますが、人工透析ほど一般化し、広く治療が行われているものはありません。
日本には、慢性腎臓病(腎機能の改善が望めない腎不全の状態)の患者が約2,000万人いると推計されています。2021年以降、医療の発展によりやや減少したものの、慢性腎臓病が悪化し、人工透析を受ける患者数は依然として増加しており、現在では約34万人が人工透析を受けています。
人工透析とは
人工透析は、血液透析と腹膜透析に大別され、腎不全の治療法の一つです。腎移植と併せて「腎代替療法」と呼ばれます。
- 血液透析:血液を体外に取り出し、老廃物を除去した後、きれいになった血液を体内に戻します。1回3〜4時間、週3回病院に通院する必要があります。
- 腹膜透析:腹腔に留置した透析用チューブを通じて、お腹の中に透析液を注入し、老廃物を溶かしこんで排出します。自分で管理する必要がありますが、通院回数は比較的少なくて済みます。
- 腎移植:正常な腎臓を移植する治療法です。移植後は免疫抑制剤を服用する必要があります。
人工透析は非常に手間がかかるため、患者本人への負担も大きくなります。現在の慢性腎臓病の治療方針は、いかに腎機能の悪化を遅らせるかに重点が置かれています。具体的には、塩分の摂取制限、たんぱく質の過剰摂取を避ける、肥満や生活習慣病の改善、薬による管理などが推奨されています。
iPS細胞による新たな治療法
iPS細胞のように多分化能を持つ細胞を用いた治療と聞くと、多くの人が「失われた臓器を再生し、移植する」という方法を思い浮かべるでしょう。しかし、この方法では、複数の細胞が混在する臓器を細胞機能ごとに配列し、機能単位で3次元的に組み立て、適切なサイズに成長させる必要があり、腎臓のような複雑な臓器では実現までに膨大な時間がかかると考えられていました。
今回の京都大学の研究では、特殊な「腎臓の若い細胞」を作り出し、それを腎臓に注射することで慢性腎臓病において腎機能の悪化を抑制できることが示されました。さらに、この細胞を大量に生産し、分離する方法も確立されてたとのことで、数年以内の臨床試験を目指しているとのことです。
研究報告の一部には、腎臓のオルガノイド(人工臓器)を作成し、腎臓の機能単位に近い構造を再現できたことも記されています。将来的には、細胞群を注射することで腎臓内に新たな腎機能単位を作り出し、特に透析導入初期の患者であれば透析から離脱できる可能性があるのではないかと期待されます。
夢の広がる治療法ですね。iPS細胞関連の研究がさらに発展することを、心から願っています。
では、また。
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